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不動産投資をはじめたいと考えても、リスクや失敗が怖くて、なかなかはじめられないという声もよくききます。
これまでずっとお伝えしていることは、不動産投資の知識をしっかりと身につけ、メリット・デメリットに加えリスクをしっかり把握して、充分に検討した上で判断することを基本としてきました。
「かぼちゃの馬車」事件や「スルガ銀行不正融資」事件を発端に、一時期積極的だった不動産投資ローンの融資も金融機関の引き締めがはじまっています。
不動産投資のご相談に乗っていると、「その物件に不動産投資する前にお会いしたかった!」という事例があります。
不動産投資をおすすめしたり、相談に乗ったりしている身としては、不動産投資に対する知識をしっかりと持っていただき、失敗しないようにしていただきたいと切に願っています。
その反面教師としての事例をご紹介します。
仮想通貨資産1.1億円の「億り人」——不動産投資の電話営業のいいなりに
今回ご紹介する不動産投資の失敗事例は、仮想通貨との関連での話というのも時代を感じています。
■属性
- 20代後半男性
- 建材メーカー勤務
- 年収550万円
■保有資産
- 仮想通貨4,000万円(2018年7月現在)
→1.1億円の利益がでるも、利確してしまったので税金約6000万円強が差し押さえ - ワンルームマンション(2018年1月購入)
- 現金 数万円程度
関東地方で育ったものの、転勤で山陰地方の県庁所在地に勤務している頃、同僚以外の友人もあまりいない土地で時間的にも余裕があったので、仮想通貨を始めたとのこと。
仮想通貨は2016年から2017年にかけて大幅に値上がりし、現在の保有資産は1.1億円に。
「億り人」になったと思ったら、まさかの差し押さえ!
仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)
国税庁(2017年12月1日)
仮想通貨の課税に関する詳細は、文末に補足情報として掲載します。
仮想通貨の課税不安をきっかけに不動産投資の電話営業にのってしまった
仮想通貨不安の彼の話は、おおよそ以下でした。
この男性は、2017年に仮想通貨の利確を行っていたので、税金情報に不安になったため、課税になる前に不動産投資を行っておこうと焦りが出たそう。
慌てて不動産投資をはじめようと思っていたところ……。
転勤2年目、ある程度落ち着いた頃、IT企業に勤める学生時代の友人から仮想通貨の話が届き、彼の実績も見せてもらった後、ビットコインから始めました。
同僚以外の知り合いもいない土地で、ネット情報が楽しみな日々——。
そんな日々の仮想通貨は、値動きが楽しみになり、どんどんはまってしまいました。
不動産投資をはじめようと、資料請求した時に登録した電話番号に電話がかかってきたのです。
サラリーマンのうちに、不動産投資ローンを利用してワンルームマンションを購入しようと思っていたところ、営業マンからもその点を強く勧められました。
関東に住んでいたので、ある程度土地勘があるという過信もあったと思います。
購入した物件は、以下です。
- エリア:横浜郊外
- 築年数:築年数24年(1994年築)
- 価格:約800万円
- 不動産投資ローン:SBJ銀行 35年フルローン
- 金利:3.175%
- 月々返済額:約35,000円
- 月々のキャッシュフローは+約1.5万円の予定
築年数は古いものの、1000万円以下で購入できています。
しかし……、
【不動産投資失敗事例:検証1】不動産投資ローンに対して無知だった
不動産投資の知識がほぼない状態で、電話営業にのってしまい、横浜郊外の中古ワンルームマンションを購入。
不動産投資ローンの金利は低いとは知っていたものの、金利比較などしなかったそうです。
不動産会社の言うがままに、提携ローンのSBJ銀行の不動産投資ローンを契約してしまいました。
2018年1月に「かぼちゃの馬車」事件や2018年4月に「スルガ銀行不正融資」事件が発覚。
それ以前から、行き過ぎ感のある不動産投資ローンの積極的融資に対して、金融庁の指導も入り、2017年頃から不動産投資ローンの融資が少し厳しくなってきました。
そこにもってスルガ銀行不正融資事件。
不動産投資ローンの融資は、明らかに厳しくなりました。
金融庁は2018年10月には、スルガ銀行は新規の不動産融資を6カ月停止する業務停止命令が下したのです。
それ以前、ゼロ金利やマイナス金利の影響で、不動産投資ローンの金利は、空前の低金利が続いていました。
この男性の場合、ワンルームマンション購入時には年収550万円ありましたら、金利1〜2%程度の不動産投資ローンの可能性もあったはずです。
しかし、提携ローンと言われると、従わないといけないと思ったようです。
不動産投資ローンが厳しくなる前の金利3%超えは、少しつらいですね。
実は、このSBJ銀行は、スルガ銀行に次いで不動産投資ローンに対して積極的な銀行という評判でした。
その代わり、金利が高い不動産投資ローンの取扱としても有名でした。
不動産投資ローン銀行融資面談がなぜか名古屋?
上記のSBJ銀行、この男性の場合、不動産投資ローンの融資面談が名古屋指定でした。
提携ローンと言われ、指定銀行しかないと強く思い、名古屋まで行くことに。
本人も言っていましたが、この時点で思考能力がなく、精神状態もひどいものだったということです。
- 本人の居住地:山陰地方
- 不動産投資対象の物件購入地点:横浜
- 不動産投資ローン銀行面談地:名古屋
不動産会社の所在地を書いてしまうと、ばれてしまうと思いますので、ここでは控えます。
私からすると、上記は考えられません。
この時点で、誰かに相談できていたら、少しは冷静に客観的になれたのではと悔やまれます。
【不動産投資失敗事例:検証2】空室リスク
ビットコインで「億り人」になった男性。
1.1億円の仮想通貨の利確の課税に焦り、確定申告前に不動産投資として中古ワンルームマンションを購入。
悲劇はさらに深刻化します。
なんと、この不動産投資対象の物件、築年数も24年と、そこそこ古いのですが、メンテナンス次第では、まだまだ入居があります。
しかし、この物なんと35部屋中20部屋が空室という最悪の物件だったのです。
不動産投資対象の物件をよく調べもせず、不動産投資ブームという電話営業にのせられ、購入してしまった最悪のパターンです。
「空室リスク」という、不動産投資としては最も避けたい最大のリスクを、不動産投資はじめてという時点で味わってしまう結果になりました。
現状も空室です。
不動産投資ローン返済の月々約3万5千円の支払いが発生しています。
その他経費や、固定資産税はじめとする諸税も発生します。
現在、会ってすぐなので、今後の相談で展開していきます。
不動産投資の失敗を少しでも減らすために、御本人から許可をいただき、個人情報その他が特定できないように、若干加工しております。
仮想通貨の課税に関する補足
冒頭でも記載しましたが、2017年12月1日に国税庁は、仮想通貨で得た利益が「雑所得」に分類されるという見解を発表し、あわせて計算方法や課税の対象になる事例も公表しました。
以下に「まとめ」を、その次に解説を記載します。
■仮想通貨の税金の種類
- 仮想通貨で得た利益は「雑所得」
雑所得は総合課税の対象で、給与所得などほかの所得と合算した額に応じて税率が決定
仮想通貨で得られた利益が多額になれば、累進課税によって所得税の税率は最大45%まで上がり、住民税10%と合計して最大55%になる可能性もでてきます。
株式投資で得た利益は「譲渡所得」、FX(外国為替証拠金取引)などで得た利益は、仮想通貨と同様の「雑所得」です。
しかし、株式投資・FXなどの利益は、他の所得と分離して税額を計算する「申告分離課税」が適用されます。
申告分離課税の税率は、所得の額に関わらず一律約20.315%です。
■仮想通貨の税金の税率
- 仮想通貨利益⇒最大55%(金額に応じて)
- 株式投資で得た利益:譲渡所得/FXなどで得た利益:雑所得(仮想通貨と同様)⇒一律約20.315%
■仮想通貨の税制優遇はなし
- 仮想通貨は「損益通算」「繰越控除」の対象外
仮想通貨にかかる税金とは?
株式投資などと同様、仮想通貨に投資しているだけでは課税されません。
課税されるのは、株式などと同様、仮想通貨の「売買などで20万円以上の利益(所得)が発生する」と、その利益に対して所得税がかかります。
※旦那さんや親の扶養に入っている方は、33万円以上の利益が出ると課税の対象になります。
雑所得とは?
2017年12月に発表された国税庁の通達によると仮想通貨の取引などで得た利益は所得税のうち雑所得に分類されます。
仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)
国税庁(2017年12月1日)
仮想通貨にかかる税金の計算方法
所得税は収入に応じて課税率がアップする「累進課税」です。
雑所得は総合課税の対象で、給与所得などほかの所得と合算した額に応じて税率が決定します。
そのため、利益が多額になれば、累進課税によって所得税の税率は最大45%まで上がり、住民税10%と合計して最大55%になる可能性もでてきます。
株式投資で得た利益:譲渡所得
FX(外国為替証拠金取引)で得た利益:仮想通貨と同様に雑所得
いずれも「申告分離課税」適用されます。(他の所得と分離して税額を計算)
「申告分離課税」の税率は、所得の額に関わらず一律約20.315%。こういった背景から、仮想通貨の売買益にかかる税金が高いとの声も少なくないのも事実です。
上記の事例の方のように「億り人」が多数出たので、国税庁はこの方々から税金を徴収しようという方針なのでは?と、もっぱら言われているのです。
■所得金額と税率
No.2260 所得税の税率(国税庁)
[平成30年4月1日現在法令等]
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
仮想通貨の売買損益の算定法
仮想通貨の売買損益は、「移動平均法」か「総平均法」で計算されます。
仮想通貨の売買損益にかかる所得税は、確定申告の算定時に適用される1月1日から12月31日までの1年分の取引総額が対象となります。
合計所得額を計算する方法には、「移動平均法」「総平均法」の2つがあり、申告の際はいずれかを選択する必要があります。
1度選択した計算方法は、翌年以降も継続して使用するルールがありますので、注意が必要です。
- 移動平均法
仮想通貨を購入するたびに購入額と残高を平均し所得を計算する方法
- 総平均法
1年間の購入平均レートをもとに計算した総購入金額と、売却合計金額の差額(所得)を計算する方法です。
仮想通貨は「損益通算」「繰越控除」の対象外
不動産投資を行う際に、税制メリットとなる「損益通算」がよくいわれています。
- 不動産投資などの不動産所得
- 個人事業などの事業所得
- 株式などの売買で得られる譲渡所得
上記などは、損失が生じた場合に、利益が出ている所得と合算し、課税対象額を減額することが可能です。
プラスとマイナスの合算ですから、プラス分とマイナス分が相殺されることになります。
上記を損益通算といいます。
仮想通貨の場合には仮想通貨同士の損益・雑所得内での損益は差し引きが可能ですが、他の金融資産などに対して損益通算はできません。
さらに、株式投資などでは、利益から損益を差し引いてもさらに損失が残る場合、3年は損失を繰り越しすることができる「繰越控除」も適用可能です。
残念ながら、仮想通貨は、「繰越控除」も対象外です。
この点も、上記の事例の方のように「億り人」が多数出たので、国税庁はこの方々から税金を徴収しようという方針なのでは? と、もっぱら言われている理由の1つです。
まとめ
不動産投資をはじめる際には、不動産投資の知識の習得は絶対です!
そして、客観的に相談に乗ってくれる人を探した方がよいです!
加えて、不動産投資初心者は、遠隔地物件は絶対に避けた方がよいです!
不動産投資の知識が身につき、不動産投資対象の物件を見極められるようになったら、遠隔地の優良な物件を探すことがあってもよいでしょう。
しかし、人口問題などからも、TOMOHIROは不動産投資は原則、東京圏をおすすめしています。
TOMOHIROは不動産会社に勤めていましたが、現在はフリーです。
横のつながりで、仕入れ業者と強いパイプを持っています。
業界で有名な不動産投資物件を販売する会社が仕入れている業者をご紹介できます。
不動産投資の販売会社は、仕入れ値に対して、利益をのせます。
それは、会社経営としては当然のことです。
不動産投資用の中古ワンルームマンションを扱う大手企業は、会社の経費のためにそれなりの金額が上乗せされるのです。
その上乗せされる前の仕入れ値に近い物件を扱う不動案会社をご紹介することもできます。
TOMOHIROの苦労や、苦労から得た経験をもとにした経験則から少しで皆さんのお役に立ちたいと考えています。
TOMOHIROは、会社員時代を通して公私ともども不動産に関する相談に乗ってきました。
「不動産は人を幸せにもするし、不幸にもする」
不動産投資に行う方に対してTOMOHIROは上記のように思うのです。
不動産投資で幸せになられた方のご報告をいただくことは喜びです。
現在周囲にいる投資家仲間を通して不動産に関する質問をもらいますが、他の方へ「伝える」ということは自分自身の役にも立ちます。
自分が知っているということと、他の方へ伝えてそして理解していただくということは異なると思っています。
そして何よりも嬉しいのは、TOMOHIROがお伝えしたことを参考に購入した不動産物件が利益を上げて、お礼を言ってもらえることです。
「TOMOHIROのアドバイスで購入した物件で、月々キャッシュフローが黒字になっている」
「TOMOHIROのアドバイスで購入した物件が、数年後に高く売れて、キャピタルゲインを得ることができた」
その言葉を聞くために、不動産の相談に乗っていると言っても過言ではありません。
TOMOHIRO最大の喜びです。
TOMOHIROが得た金融知識や投資情報など、あなたとともに共有していきたいと考えています。
【TOMOHIROプロフィール詳細】
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