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「住宅ローン」「不動産投資ローン」は空前の低金利ですね。
不動産業界に限らず、経済事情は急な変化をもたらすこともありますが、不動産投資業界でもこの1〜2年の間に急激な変化を遂げています。
2000年頃から「サラリーマン大家」人気がブームとなり、不動産投資の成功者が書籍やインターネット、セミナーなどで目立つようになりました。
一昔前は、不動産投資は富裕層が行うものだと思われていました。
いまや、サラリーマン大家からメガ大家になり、リタイアメントしている方も多くいらっしゃいます。
「不動産投資ブーム」「サラリーマン大家」人気がこれ程に至った理由の背景に、不動産投資ローンによるレバレッジ効果を効かせた不動産投資の成功事例が知られるようになったからです。
不動産投資ローンが空前の低金利の理由
バブル崩壊後の景気の低迷や「失われた20年」で企業の業績が伸び悩み、また、年金不安などからサラリーマンが将来の生活資金のために本業以外に目を向け始めたということもあります。
金融政策においては、ゼロ金利が続き、2016年2月以降はマイナス金利となりました。
金融機関は、収益を確保するために個人への融資を積極的に行うことになります。
個人向けの不動産投資ローンやカードローンなどの金利を収益に見込むようになったのです。
個人向けの融資が拡大したのが2016年頃です。
不動産投資においても、頭金がほとんどなく不動産投資ローンを融資してもらえるという謳い文句で、不動産投資市場が活性化しました。
「不動産投資を少額で始められる」というストーリーが出来上がっていた時代がわずかな期間ありました。
もちろん、融資を受ける人も審査対象になりますが、基準が緩和されていた時期には、次のようなことも言われていました。
年収400万円・勤続年数3年以上で、クレジットカードなどに多額の利用残額がない場合には、中古ワンルームマンション購入に際して、頭金数十万などで購入できる時期もありました。
ゼロ金利が続く中、銀行は金利による利益を見込み、個人への融資を増やしていったのです。
特に2015年の相続税改正、2016年2月以降のマイナス金利の影響を受け、不動産投資ローンの融資が拡大しました。
頭金10万円頭金ゼロ円などの仕組みはというと、頭金なしで登記手数料などの諸費用だけ負担する「フルローン」が可能な状況です。
さらに、頭金以外にかかる投資用不動産購入時にかかる税金や諸費用分も不動産投資ローンで補う「オーバーローン」なども実施されていました。
不動産投資ローンの審査が厳しくなっている!
不動産投資ローンの急激な拡大は、さまざまな問題のきっかけともなりました。
トラブルとなる事例が続き、2017年に入ると金融庁の引き締めが強化され、それまでの数年間積極的に貸出されていた不動産投資ローンも、各金融機関による融資基準が厳しくなってきました。
個人への不動産投資ローンの融資が少しずつ厳しくなってきた矢先に「かぼちゃの馬車」事件やスルガ銀行の不正融資が大きな社会問題となりました。
金融庁も金融機関への指導が厳しくなり、実際のところ不動産投資ローンの審査基準は2016年に比べると厳しくなっています。
加えて、頭金を要求するようになりました。
実際のところ、元に戻りつつあるというところです。
不動産投資ローンへの融資基準が厳しくなったとはいえ、基準を充たす人には引き続き「サラリーマン」として会社への信用度で不動産投資ローンがおりるケースも多く、資産構築としてまだまだ不動産投資は有力な手段と考えられています。
不動産投資ローン|サラリーマンの与信枠を利用
年収が高く、勤続年数も基準を充たす属性の高いサラリーマンには、正統な審査基準による不動産投資ローンの融資は実行されます。
住宅ローンは、マイホーム用に個人が融資を受けるため、審査対象は個人の属性ということをお伝えしました。
住宅ローンのローン返済原資は、融資を受ける人の給与などの所得です。
一方の不動産投資ローンはというと、融資を受ける人プラス投資対象の不動産が審査対象になります。
不動産投資ローンのローン返済原資は、投資対象の不動産が生み出す家賃収入です。
そのため、投資対象の不動産の資産価値の審査が重要になります。
もちろん、不動産投資ローンの融資を受ける人も審査対象となります。属性が高い会社員はいまでも有利です。
金融機関は、融資を受ける人を対象に個々人に「与信枠」を設定しています。
参考までに以下の例をあげます。
オリックス銀行の融資枠(2018年1月現在)
この与信枠を利用した不動産投資を行わない手はないと考えています。
もちろん、「ミドルリスク・ミドルリターン」といわれる不動産投資にもリスクはあります。
不動産投資の知識を正しく身につけ、充分に判断した上での投資が必要です。
不動産投資ローン|「固定金利」と「変動金利」ではどちらがお得?
上記の話を理解した上で、不動産投資を行うと判断された場合、不動産投資ローンを組む際に、必ず金利の話がでてきます。
不動産投資ローンを利用する際、「固定金利」と「変動金利」のどちらを選ぶか迷うと思いますが、まずは「固定金利」「変動金利」の違いをご説明します。
結論から言うと、お得なのはどちらかという明確な答えはありません。
「固定金利」「変動金利」のメリット・デメリットを理解したうえで、ライフプランなどから、ご自身に合ったプランを選択しましょう。
不動産投資ローンの「固定金利」「変動金利」のメリット・デメリットを説明します。
不動産投資ローン|固定金利
固定金利とは、返済期間中の金融機関の標準金利が変動しても、利用した不動産投資ローン金利は固定されたまま変動しないことをいいます。
不動産投資ローン|固定金利の種類
固定金利は大きくわけて、2種類あります。
1.全期間固定型(全期間固定プラン)
不動産投資ローン返済期間中の全期間を通して金利が固定となるプランです。
毎月のローン返済額はローン完済まで確定した金利となっています。
そのため、
・毎月のローン返済額が固定なので、毎月の収支予測が立てやすい
金利上昇リスクの心配がない
金利上昇リスクを金融期間が負うため、取扱金融機関が少ない。
2.固定金利選択型(固定金利選択プラン)
不動産投資ローン返済期間のスタートは固定金利とし、一定の期間(3〜5年)後に、再度固定金利か変動金利かを選択するプランです。
不動産投資ローン(アパートローン)において、「固定金利」という場合には、「固定金利選択型」が一般的です。
固定金利の一定期間は、各金融機関によって異なり、3年・5年・10年など選択肢があり、金融政策による金利情勢から固定期間を選択できる自由度があります。
固定金利の一定期間中に、大幅な金利上昇があった場合、次回の固定金利選択の際には前回の期間より金利が上がる可能性もあります。
その場合には、固定金利期間中に、ローンの借り換えなど対策を立てることができます。
不動産投資ローン|固定金利のメリット
固定金利の期間中は、ローン返済の毎月の支払額が固定となっているため、収支計画を立てやすい。
変動金利に比べて、金利が高めに設定されていることが一般的。
金利上昇の局面では、変動金利に比べてローン返済額が低くなる可能性もあります。
不動産投資ローン|固定金利のデメリット
金利下降の局面では、変動金利に比べて支払額が高くなってしまう可能性が高いです。
不動産投資ローン|変動金利
変動金利とは、返済時点の金利情勢で、不動産投資ローンの金利が変動するプランをいいます。
変動金利の基になる指標は、「短期プライムレート」(略称:短プラ)です。
変動金利といって、日々変わるのではなく、6ヶ月や1年などの短期間毎の変動となります。
金融機関によって異なりますが、一般的に6ヶ月単位の設定が多くなっています。
不動産投資ローン|変動金利のメリット
固定金利プランよりも金利が低く設定されています。
同じ元金の場合、固定金利プランよりも毎月のローン返済額を低く抑えられます。
低金利が続く場合、固定金利に比べて返済総額が抑えられる
不動産投資ローン|変動金利のデメリット
金利上昇の局面においては、連動して元金に対しての金利が上がり、ローン返済額が上がる可能性があります。
不動産投資ローンの借り換え
近年では不動産投資ローンの借り換えを進める金融機関も増えてきています。
借りたときより低い金利のローンに借り換えをすることによって、返済額の負担を減らすことにつながります。
不動産投資ローン借り換え時の手続きなどの諸費用がかかりますが、金利見直し時にひとつの方法として考えてみることもおすすめします。
まとめ
不動産投資ローンの金利は、現状は空前のマイナス金利ですが、今後の景気動向や金融政策で変わる可能性がおおいにあります。
金利変動は、月々の返済額にも大きく影響し、「金利変動リスク」にもつながってきます。
予測はなかなかつかないものの、専門家に確認したりして、充分検討した上で、判断しましょう。
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