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不動産投資を行う際に、金融機関から融資を受け不動産投資ローンを利用することがほとんどだと思います。
もちろん、現金一括・キャッシュで投資用不動産を購入するという方もいらっしゃいます。
不動産投資ローンの審査が2017年以降厳しくなってきたとはいえ、まだまだマイナス金利の現状、不動産投資ローンの金利も低水準です。
不動産投資ローンの審査が通る方でしたら、金融機関からの融資を受けて、不動産投資ローンの低金利の現状をいかし「レバレッジ効果」を効かせた不動産投資を行うことが賢明でしょう。
建物の法定耐用年数とは?
「減価償却資産の耐用年数」は、固定資産税算定の観点から、法定耐用年数が定められており、減価償却の算定にも利用されます。
不動産投資に関わる点で説明しますと、建物構造種類別の耐用年数になります。
不動産は、建物の構造により強度が異なることから耐用年数も異なってきます。
「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」によって定められた資産の耐用年数です。
この建物の耐用年数、目的は資産の減価償却のためで、国税庁の管轄です。
建物の耐用年数は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」によって定められており、建物構造の種類によって規定が異なります。
不動産投資においては、投資する不動産購入のスタート時点の不動産投資ローンの審査の際、ローンの返済期間にも関わってくる基準です。
建物の耐用年数は、不動産購入後も不動産事業の経営に関わってきます。
建物の耐用年数を指標に利用する目的は2つあります。
- 不動産購入時:不動産投資ローン利用の際に金融機関が不動産投資ローン対象の不動産の資産価値を測るため
- 不動産事業継続時:不動産事業を営む際の減価償却費の算定のため
上記2つでは、役割がことなるため、この記事では「1.不動産購入時:不動産投資ローン利用の際に金融機関が不動産投資ローン対象の不動産の資産価値を測るため」の建物の耐用年数の役割について説明します。
「2.不動産事業継続時:不動産事業を営む際の減価償却費の算定のため」については、別の記事で説明します。
建物の法定耐用年数
償却資産の耐用年数は税法で規定されていますが、この記事では不動産に関する耐用年数を説明します。
建物の耐用年数は、「用途」「構造」の要素によって規定されています。
構造 | 用途 | 耐用年数 | |
木造 | 事務所 | 24年 | |
住宅・店舗 | 22年 | ||
鉄骨(S)造 | 肉厚4mm超 (重量鉄骨) | 事務所 | 38年 |
住宅・店舗 | 34年 | ||
肉厚3mm超4mm以下 (軽量鉄骨) | 事務所 | 30年 | |
住宅・店舗 | 27年 | ||
肉厚3mm以下 (軽量鉄骨) | 事務所 | 22年 | |
住宅・店舗 | 19年 | ||
鉄筋コンクリート(RC)造・ 鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造 | 事務所 | 50年 | |
住宅 | 47年 | ||
店舗 | 39年 |
その他、工場・倉庫用、旅館・ホテル・病院用や公衆浴場用など分かれています。
「主な減価償却資産の耐用年数(建物・建物附属設備)」<国税庁>
※税制が改正されることで法定耐用年数が変更になることもあります。
建物の耐用年数というと、建物の寿命もしくは何らかの規制での期限のように受け取られますが、あくまでも税務上の基準値です。
税務上の耐用年数はあくまでも目安であり、その年数以上に使用していると罰則があるなど問題があるわけではありません。
実際、自宅の耐用年数は事業用(投資用)より長く規定されています。
自宅の場合、丁寧に長く住まうことを想定し、事業用(投資用)より建物の耐用年数が長く設定されているのです。
事業用(投資用)の場合も、メンテナンス次第で実際に使用できる期間は大きく異なってきます。
事業用(投資用)の不動産物件も、一般的に税務上の耐用年数より1.5倍~2倍程度長く使用されています。
不動産投資ローンにも基準となる建物の「法定耐用年数」
金融機関から融資を受けて、不動産投資ローンを利用する場合、審査の対象は大きくわけて、2つです。
マイホームを購入する場合の「住宅ローン」は、ローン返済の原資が、「住宅ローン」を借りる人の給与などです。
そのため、「住宅ローン」の審査対象は、「住宅ローンを借りる人」です。
不動産投資を行う際には、上記のように投資対象の不動産の資産価値が加わるのです。
不動産投資ローンのローン返済の原資は、不動産事業の収入である「家賃収入」であるため、投資対象の不動産の資産価値によって判断されるのです。
その判断基準として、「建物の法定耐用年数」から割り出す残存耐用年数によって判断されます。
不動産投資ローンの金融機関の審査基準と建物の法定耐用年数の関係
建物の法定耐用年数に関して金融機関の審査の観点から説明します。
不動産投資において、建物構造で法定耐用年数が異なることは、非常に重要になってきます。
購入する不動産物件の耐用年数の残存耐用年数を基準に、金融機関の審査対象となるからです。
金融機関の審査にとって建物の残存耐用年数が重要となる理由
金融機関は不動産投資ローンの融資を実行する際、該当不動産に抵当権を設定します。
金融機関は、万が一不動産事業が成り立たず、融資した資金の回収ができない場合には、抵当権を実行して該当不動産を売却し、融資の残債務の返済に充てる事になります。
そのため、対象となる不動産物件の残存耐用年数は融資期間を設定する上で、非常に重要な要素になるのです。
不動産投資ローンの融資期間は建物の残存耐用年数よりも短い
不動産投資ローンの融資期間(返済期間)は、投資対象の不動産物件の「残存耐用年数」を基準にます。
一般的に、建物の残存耐用年数よりも不動産投資ローンの融資期間(返済期間)は短くなります。
例えば、鉄筋コンクリートの新築のマンションの法定耐用年数は47年ですが、不動産投資ローンの融資期間は、おおよそ最長35年くらいです。
オリックス銀行が最長45年という不動産投資ローンをはじめました。
鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年です。
新築時点では、残存耐用年数は47年ということになりますが、不動産投資ローンの中でも最長のオリックス銀行の不動産投資ローンでも返済期間が45年ということをみても、「残存耐用年数>融資期間」ということが明白ですね。
金融機関は、不動産投資ローンの融資の際、投資対象の不動産の資産価値を審査します。
該当の不動産物件の担保価値を審査の上、融資期間(返済期間)を算定します。
銀行側はその物件の担保価値を慎重に検討して融資期間を割り出すため、例えば土地値が高い都心部の物件と土地値が安い地方の物件では、残耐用年数が同じだとしても、融資期間に違いが出る可能性があります。
要するに銀行側は、万が一の際にその物件を売却して残債務を回収できるのかどうか、という点を重要視しているのです。
不動産投資ローンは住宅ローンよりも融資期間が短く、特に不動産投資初心者の場合には、融資期間(返済期間)が短くなるケースがほとんどです。
融資期間(返済期間)が短くなると、月々の返済額も大きくなり、キャッシュ・フローに影響します。
残存耐用年数から不動産投資を考える新築ワンルームマンションと中古ワンルームマンション
不動産投資の際には築年数の新しい物件を選ぶべき?
不動産投資を行う際に、「中古ワンルームマンション」「新築ワンルームマンション」という選択ポイントがあります。
価格の面から考えると、新築ワンルームマンションは初期費用が大きくかかります。
新築ワンルームマンションは、投資対象の不動産を購入する際の初期費用が高くなるため、不動産投資ローンを利用した場合は、月々のキャッシュ・フローが赤字になるケースがほとんどです。
中古ワンルームマンションの場合、購入金額が新築ワンルームマンションよりもおさえられる利点があります。
残存耐用年数から考えると、不動産投資ローンの融資期間(返済期間)を長く設定できないといえますが、新築ワンルームマンションと比較すると初期費用をおさえられるため、月々のキャッシュ・フローがとんとんか若干の黒字になる可能性もでてくるのです。
残存耐用年数という数字からのみ考えると新築ワンルームマンションは有利に思えます。
しかし、月々のキャッシュ・フローや利回りから考えると、中古ワンルームマンションの方が、特に不動産投資初心者には向いているとTOMOHIROは考えています。
中古ワンルームマンション|法定耐用年数に対しての経過年数とは?
中古ワンルームマンションの残存耐用年数について、ご説明します。
中古ワンルームマンションの建物構造は、鉄筋コンクリート造ですから、法定耐用年数は47年です。
一般的な用語として、中古ワンルームマンションなどには築◯年という言葉を使います。
建物の法定耐用年数に対しては、「経過年数」という用語を使いますので、この記事では「経過年数」と表現します。
法定耐用年数☓20%=残存耐用年数
(法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)=残存耐用年数
法定耐用年数の一部を経過した中古資産を購入するときの耐用年数は新しい時から経過した年数をそのまま引く計算ではなく、上記の通りとなります。
中古マンションの減価償却計算をする際の耐用年数は、次のような計算をします。
例として、築15年の中古ワンルームマンションを計算します。
(法定耐用年数47年—経過年数<築年数>15年)+(経過年数<築年数>15年×20%)
=35年
単純に差し引くと次のとおりとなります。
(法定耐用年数47年—経過年数<築年数>15年)=32年
※計算結果で建物の残存耐用年数が5年未満の場合は、5年とします。
減価償却費算定のための計算では残存耐用年数が長くなります。
冒頭でご説明しましたとおり、目的が減価償却費の算定という税務上の指標のためです。
注意が必要ですが、法定耐用年数は固定資産の減価償却を算定するために基準とされるもので、あくまでも税務上の指標です。
を審査しているのです。
残存耐用年数は、金融機関の不動産投資ローンの算定のためを目的としているのではなく、あくまでも投資対象の不動産の資産価値を測る指標から、不動産投資ローンの担保価値を測る指標でもあるのです。
建物の残存耐用年数による不動産投資ローン審査への影響
これまで不動産投資ローンの審査時の建物の耐用年数の影響を説明しましたが、完全に法定耐用年数を超えている場合には、不動産投資ローンの審査としては、金融機関は厳しく判断します。
金融機関は、不動産投資ローンの融資を行う際に、不動産を担保にし、抵当権を設定します。
万が一、不動産投資ローンの返済が滞った際には、その担保不動産を売却して残債にあてます。
法定耐用年数を過ぎているような建物の場合、売却が難しくなるため、不動産投資ローン融資時点であまりにも法定耐用年数を超えているような不動産への融資には審査が厳しくなるのです。
場合によっては、不動産投資ローンの利用を断られることもあります。
投資対象の建物の残存耐用年数は、不動産投資ローンの審査に非常に重要になってきます。
木造のアパートや経過年数(築年数)がだいぶ経っている古い不動産は残存耐用年数が短くなるので、不動産投資ローンの融資が実行されにくいといわれているのは、上記の理由からです。
不動産購入を行う場合には、なるべく長期の返済期間を設定でき不動産物件を購入できたほうが望ましいです。
一方で、不動産投資ローンの返済期間が長いということは、金利分の支払いも長くなりますので、総額の支払い金額が多くなり、長期的に考えると支払い総額は増えることになります。
不動産投資ローンの完済の時期も遅くなってしまいますので、次のことがいえます。
途中で売る場合の不動産投資ローンの残債が多く残っている
→売却しても売却益(利益)が出ない場合もある
不動産投資ローンの完済時期が遅くなる
→不動産投資ローン完済後はローン支払い分がなくなるので、経費や税金以外、家賃収入として安定的な収入になりますが、不動産投資ローンの返済期間が長いと完済後の楽になる時期が遠くなります。
「法定耐用年数」に対して「経済的残存耐用年数」とは?
「法定耐用年数」は税務上の指標として用いられる目的で規定されていることをご説明しました。
金融機関は「建物の法定耐用年数」という国税庁の基準を不動産投資ローンの融資のひとつの指標としています。
単純に、建物が建設されてからの経過年数という数字のみで算定しているのです。
実際の建物の価値はというと、環境や住む人、メンテンンス状況などにより、個々に異なってきます。
「法定耐用年数」に対して「経済的残存耐用年数」という言葉が存在します。
「経済的」とつくことから、評価する建物が、あと何年経済的に価値を有するものかということです。
経済的耐用年数とは、法定耐用年数に対する経過年数と残存耐用年数と少し目的が異なります。
耐用年数の目的
「経済的残存耐用年数」とは、税法上の「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」による「建物の法定耐用年数」とは異なり、物理的要因・機能的要因・経済的要因による建物の劣化を総合的に判断して、建物が経済的に「あとどれくらい建物の価値を残すことができか」という「建物の残りの寿命」ということができます。
不動産投資を行っている場合、「経済的残存耐用年数」が延長すると家賃収入もその分伸び、利回りが高くなります。
不動産投資の収益という観点から考えると「経済的残存耐用年数」の判定は重要な要素になります。
金融機関においても、不動産投資ローンの審査時に担保不動産が法定耐用年数に迫っている場合、経済的残存耐用年数によってさらに収益を生む可能性があると判断すると、単純に法定耐用年数から評価するだけの場合と、結果が異なってくる可能性もでてきます。
「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」に掲げる耐用年数表は東京都のページからのダウンロードがわかりやすいです。
まとめ
このブログでは、常々東京の中古ワンルームマンションへの不動産投資をおすすめしています。
中古ワンルームマンションといっても、法定耐用年数を過ぎていたり、経過年数が長く残存耐用年数が短かったりするような築古物件は、特に不動産投資初心者におすすめできません。
TOMOHIROは不動産会社に勤めていましたが、現在はフリーです。
横のつながりで、仕入れ業者と強いパイプを持っています。
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それは、会社経営としては当然のことです。
不動産投資用の中古ワンルームマンションを扱う大手企業は、会社の経費のためにそれなりの金額が上乗せされるのです。
その上乗せされる前の仕入れ値に近い物件を扱う不動案会社をご紹介することもできます。
TOMOHIROの苦労や、苦労から得た経験をもとにした経験則から少しで皆さんのお役に立ちたいと考えています。
TOMOHIROは、会社員時代を通して公私ともども不動産に関する相談に乗ってきました。
「不動産は人を幸せにもするし、不幸にもする」
不動産投資に行う方に対してTOMOHIROは上記のように思うのです。
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そして何よりも嬉しいのは、TOMOHIROがお伝えしたことを参考に購入した不動産物件が利益を上げて、お礼を言ってもらえることです。
「TOMOHIROのアドバイスで購入した物件で、月々キャッシュフローが黒字になっている」
「TOMOHIROのアドバイスで購入した物件が、数年後に高く売れて、キャピタルゲインを得ることができた」
その言葉を聞くために、不動産の相談に乗っていると言っても過言ではありません。
TOMOHIRO最大の喜びです。
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